続き。
項垂れる俺の頭上に潤の溜息が落ちる。 俺がショックを受けて項垂れていたと思ったのか (まあ、ショックはショックだけど、色々面倒臭すぎてショックだった)、俺を抱き寄せる潤の腕は優しかった。
「ごめんね。 いっつも同じようなことで嫉妬してキツいこと言っちゃうね、俺」
言い換えれば、いっつも俺が潤をヤキモキさせるようなボケをかましてるってことなんだけど。
そこを突付いてもお互い嫌な気分になるだけなので、黙っておく。
「カテキョ、辞めろって言わないのか?」
「言わないよ。 俺はソイツのことはどうでもいいけど、こんな時期にいきなり辞めたら和さんが無責任だと思われちゃうでしょ。 それは嫌だから。 でもね、やっぱり ──・・・」
「・・・わかってる。 充分気を付けるよ」
「絶対ね? 賭けを持ち掛けられても乗っちゃダメだよ? 泣かれても絆されちゃダメ。 男の涙なんて、女の涙よりもあざとい計算が含まれてるんだから。 わかった?」
「おま・・・、自分を棚に上げて、よくもまぁヌケヌケと・・・」
「俺はいいの」
「はいはい。 お前にやられたことに気を付けたらいいんだろ?」
ちょっとだけ厭味を言って報復すると、ちょっとだけ潤が困った顔をした。
まあ、潤が俺に言われっぱなしで済ますワケがないけどさ。
(続く)